洞窟の比喩

μετὰ ταῦτα δή, εἶπον, ἀπείκασον τοιούτῳ πάθει τὴν ἡμετέραν φύσιν παιδείας τε πέρι καὶ ἀπαιδευσίας. ἰδὲ γὰρ ἀνθρώπους οἷον ἐν καταγείῳ οἰκήσει σπηλαιώδει, ἀναπεπταμένην πρὸς τὸ φῶς τὴν εἴσοδον ἐχούσῃ μακρὰν παρὰ πᾶν τὸ σπήλαιον, ἐν ταύτῃ ἐκ παίδων ὄντας ἐν

【再掲】前門の静画、後門の動画

この記事は みす 52nd Advent Calendar 2018 12日目の記事です。

おはようございます。こんにちは。こんばんは。52代CG研究会のΙΔΈΑです。今回はボカロ企画の裏話をします。

先日の制作物上映会でも少し話したのですが、まだ話すべきことは山のようにあります。今回は制作物上映会で話した話から話しきれなかった話まで、今年のボカロ企画に関する話をひたすら話していこうと思います。この記事を読んで「動画って面白そう」とか「自分も作ってみたい」とか少しでも思っていただけたら幸いです。

抽選の結果、私はMIS.W米津玄師ことkskさんと共にチーム「イデア神拳」を組むことになりました。そしてどんな曲にしようかというkskさんからの質問に対する私の返答はずばり速くて恰好良い曲でした。私は音楽に詳しくないため曲のイメージをうまく表現できなかったのですが、とにかく恰好良い曲の動画を作りたかったのです。

それから少ししていざ到着したラフを聴いてみれば、そこには私の思い描いたような恰好良い曲がありました。さすがに誇張表現かもしれませんが、とにかくそれは私を満足させるには十分以上のものでした。kskさんは期待を裏切りません。さらにfuchiさんによるギターも相俟って、なんだか凄いことになっています。この素晴らしい楽曲は私の闘志にしっかりと火を着けてくれたのでした。

 

ちなみに私たちのチーム名に深い意味はありません。特に生産性のないディスカッションの結果、気がついたらこのチーム名になっていました。私はチーム名に「ksk」を使いたいと主張し、kskさんはチーム名に「イデア」を使いたいと主張していたことを覚えています。

あえて問題点を挙げるとすれば、チーム名がハンドルネームを含んでいたことですね。今回のボカロ企画においてチーム名に直接メンバーのハンドルネームが含まれていたのは私たちのチームだけでした。何が問題なのかというと、チーム名から容易にメンバーを推測できてしまうことです。チーム名を決定したのはチーム編成が発表された後であり、進捗報告などのタイミングでは果たしてどのチーム名がどのチームなのかわからない状態でした。しかし私たちのチームだけ明らかにメンバーを特定できる状態であり、少々面白味を欠けさせてしまったのではないかと思っています。何なら今回のボカロ企画における最大の失敗はここかもしれません。

 

またラフが到着した当初、曲名は異なるもので歌詞も現在のそれとは別物でした。実は今回タイトルに描いた手を組むflowerの絵はその没になってしまった歌詞から着想を得て描いたものなのです。その歌詞には「神様」という単語が含まれており、真っ先に神に救いを求めるような絵をイメージしました。そして描くキャラクターがflowerと決まってからすぐ、まるで神に縋るかのように祈りを捧げるflowerを描きました。

後に曲名と歌詞が更新され歌詞から「神様」という単語が消失したのですが、このとき私は絵が無駄になってしまうのではないかという不安を覚えたことを覚えています。しかし新たな歌詞は特にこの絵と干渉していなかった(歌詞のコンセプトは以前のものと似ていた)ため、予定のとおりタイトルとして使用されたのです。やはり何事も見切り発車はいけませんね。

もともと今回のボカロ企画において私は動画のみを担当する予定でしたが、ひょんなことから動画だけでなく絵も担当することになったのです。最初は負担の増加を懸念しましたが、かなり自由に動画を作れるということに気がつくとモチベーションはさらに上昇したのでした。

使用したのは例のごとくFirealpacaという無料ソフトで、描いた絵の調整には例のごとくGIMPという無料ソフトを使用しています。絵の枚数は当初6、7枚くらいを想定していたのですが、結果として描いた絵は計15枚でした。勢い余ってたくさん描いてしまったのです。もちろん疲労はその分だけ増加してしまったので、もっと計画的に物事を進める能力が欲しいところであります。

 

届いた曲を聴いてイメージしたのが表と裏でした。あのときこうしていれば存在できたであろう裏側の僕が、あのときをひたすら後悔する表側の僕を嘲笑うようなイメージですかね。かくして表と裏を描くことを決めました。

キャラクターとしてv4 flowerを選んだのはその後のことです。オリジナルのキャラクターを用意するかv4 flowerを用いるか迷いに迷ったのですが、やはりv4 flowerの洗練されたデザインを無駄にするわけにはいかないということで後者が採用されました。flowerを描くと決まればすぐに準備に取り掛かります。ネットに投稿されたflowerの素敵なイラストたちを眺めたりflowerの歌う素敵な曲たちを改めて聴いたりして、実際にflowerの絵を何度も描きました。

 

詳細は後述しますが、今回の動画のタイトルの絵には特別な思いが込められています。もしかしたらこの絵を見たときに既視感を覚えた人がいるかもしれませんが、実はこの絵を描くにあたって参考にした動画があります。

こちらが参考にした動画たちになります。どうですか、かなり面影があるでしょう。これも後述するのですが、今回の動画では使用する色を制限しようと決めていて、その参考になるような動画を追い求めた結果これらの動画に辿り着いたのです。そもそも後者の曲は今年の夏に投稿されたもので、当時は何度も何度も聴いていました。その頃ちょうどボカロ企画が始動せんとしていたため、私は見事に影響を受けたのです。

これは後に判明したことなのですが、チーム「アラフィフメンヘラSAMURAIJAPON」(tommiさん・をωさん・ゆきさんからなるチーム)で絵を担当していたゆきさんは私が参考にした動画の作者の別の動画を参考にしたところがあったそうです。それを知ったときはひたすらネタ被りを危惧していたのですが、をωさんの制作する動画のイメージは私のものと十分に異なっていたためそれは杞憂に終わりました。不思議なこともあるものですね。

動画

もちろん使用したのはAviUtlという無料のソフトウェアです。残念ながらAfter Effectsではありません。ちなみに「After Effectsは使わないの?」という質問を受けることがあるのですが、おそらく当分は使わないだろうと思います。私はより高級なソフトウェアを使っていることはより上質な作品を生み出せることに対する必要条件でも十分条件でもないと信じています。お金をかければ必ず良いものが作れるということはないし、良いものを作るには必ずお金がいるわけではないのです。実際のところ私が今回の動画制作に使用したソフトウェアは無料のものばかりですが、かなり納得のできる動画を作ることができたと思っています。

ただし正しく扱えば高級なソフトウェアが上質な作品の制作において大いに役立つことは紛れもない事実です。まだ私は高級なソフトウェアを自由自在に操れるような自信がないため、有料のソフトウェアには一切の手を出していないのです。

 

今回の動画を制作するにあたって「とあるMADの作り方」というWebサイトをかなり参考にしました。これは同じく動画班であるをωさんから教わったもので、細かなテクニックや豊富なアイデアを得ることができます。興味のある方はぜひ訪れてみてください。

ただし若干動画制作中級者向けな気がするので、初心者の方はまず「AviUtlの易しい使い方」というWebサイトを参考にするべきでしょう。このWebサイトはAviUtlを触ったことがある人なら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。ここには基本的な情報が詰まっているので、動画制作初心者や動画を作ってみたいという方は一度目を通してみると良いと思います。

 

さて。

本題に戻りますが、私が今回の動画を作るにあたって最も意識したことは「ひたすら変化球を投げる」ことでした。これは大きく三つに分けられます。

一つ目の変化球はまるで静止画がメインかのように思わせることです。私自身一枚の絵だけで魅せるような動画が好きでして、今回はそういった一枚のみの絵からなる動画をかなり意識しました。ただし恰好良い動画を作りたいという思いがやはり根底にはあるので、結果として「静止画がメインなのかな?」と思いきや実際はめちゃくちゃ動くような動画を作るという方針が固まりました。

この静画動画のバランスがまた難しく、今回の動画に関しては実際かなり後者に比重が偏ってしまっています。本当はもう少し静画感を強くしたかったのですが、かなり動画感が前に出てしまいました。決して悪いことではありませんがその分の苦労は大きかったので、もっと全体を見通して構成を考えるべきだったと思っています。

 

二つ目はずばり色の変化ですね。私の動画を知らない方にはネタバレになってしまうのですが、なんとラスサビでflowerに色が着きます。

そもそも今回の動画には基本的に濃い赤色薄い赤色白色の三色しか使用していません。理由はたくさんありまして、まず数多の色彩を制御する能力に自信がなかったことが挙げられます。少ない数の色をうまく操ることの方が得意なのです。二つ目の理由は私のカラフルなものが苦手なことです。一つ目の理由とも重なるのですが、私は色鮮やかなものよりはシンプルな色合いのものを好む傾向にあります。そして最も大きな三つ目の理由はというと、絵を描く労力を軽減させることです。低コストで多くの絵を描くために使用する色を絞りました。

 

最後の変化球は、最後の絵をあえてタイトルの絵にすることです。この動画はあくまでも静止画をモチーフとしていたので、最後の絵をタイトルの絵にすることで静止画としての統一感を醸したかったのです。ちなみに最初の絵と最後の絵はまったく同じもののように見えるかもしれませんが、実はある一部分だけが異なっています。最後のflowerは笑っているのです。

繰り返しになりますが、他にも私はシンプルな動画をかなり好む傾向にありまして、あまりにも演出のうるさい動画よりはさっぱりとした動画の方が好きなのです。中でも私の好物なのが少しだけ動く静止画です。例えば目の開閉や表情の変化といった、歌詞を除く静止画の一部分だけがわずかに変化するような動画ですね。そうです、先ほど参考として紹介した動画たちはまさにこれなのですよ。これがやりたかったのです。今回この要素はうまく動画に組み込めたのではないかという気がしています。

 

変化球は以上になります。これにはバッターも思わず三振してしまうことでしょう。

もちろん反省点も何個かあります。最も大きなものとしては、動画の展開がおおむね平面的になってしまったことが挙げられますね。本当はもっと奥行きのある表現をしたかったのですが、その余裕はありませんでした。立体的な演出は構想することすら簡単ではないのに実装がまた困難を極めるので、下手したら命を落としかねません。死んでしまってはもともこもないので、今回の判断は賢明だったと思うことにします。

反省点ではないかもしれませんが、今回の動画を制作していて私の色彩に対する感性がやはり良くないという気がしました。二つ目の変化球として紹介した着色に関して、私がイメージしていたのはラスサビへの突入と同時に三色のみの画面が一変して色鮮やかな最期を迎えるというものでした。しかしいざラスサビの編集を始めてみると鮮やかな色合いの表現方法がわからず、果たしてどの色を選べば画面は美しく見えるのか見当もつかなかったのです。きっと先述の私がカラフルな色彩をあまり好まないことが祟ったのでしょう。結果としてラスサビで使用した色数は片手ほどだったと思います。

まとめ

いかがでしたか。これが私がこの動画に詰め込んだ私のすべてです。

たくさんの方々からたくさんの好評をいただけて、動画班冥利に尽きます。私は今回のボカロ企画で絵と動画の能力をすべて搾りきりました。この動画は現段階における私の最高傑作ということになります。しかし全力を出し切ると同時に私のMPは枯渇してしまいました。これがまた回復に時間を要するのです。

 

GAME OVER

 

私のMPが十分に回復するようなことがあれば、また動画班として返り咲きたいと思っています。もしかするとまた来年のボカロ企画で会えるかもしれません。

何はともあれ、今回は本当にありがとうございました。企画長を務めてくださったまつりさん、素敵な曲を用意してくださったkskさん、fuchiさん、そして私をサポートしてくださった皆様に心から感謝いたします。

 

明日は宮澤ブルーさんの記事になります。お楽しみに。

 

え、肝心の動画はどこにあるのかって?

  

・・・。

 もうしばらくお待ちください・・・。 

外部リンク

使用キャラクター

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参考Webサイト

参考動画